山を昇り降りする登山電車や山岳鉄道と言うと、ケーブルカーですが、一口にケーブルカーと言っても、色々な種類があり、国によって呼び方に違いもあるようです。ここでは、鋼索(ケーブル/ロープ)をを地面に設置し、鉄道を敷き、ゴンドラが地上を走行する地上型を鋼索鉄道または日本で言うケーブルカーと呼び、鋼索を空中に張り渡し、そこに吊られたゴンドラが空中を移動する空中型をロープウェイまたは(架空)索道と呼ぶことにしましょう。いずれの場合も、普通、モーターでケーブルを巻き上げることによりケーブルに固定されたゴンドラが牽引されたり、また握索式ではゴンドラがケーブル上に乗ったり、吊られたりして移動します。牽引式では上りのゴンドラが巻き上げられると同時に下りは自然落下し、中間地点で両車がすれ違う交走式(つるべ式)となります。握索式では次々に循環する形態が主で、雪山で使うスキーリフトなどもこれに含まれます。いずれの場合もゴンドラ自体に動力はありません。
また見た目には地上型のケーブルカーのようですが、地上を走行する車両自体に歯車(ピニオン)があり、これが軌道の中央に並行して設置されたラック(歯軌条)と嚙み合って動く自走式のラック鉄道(ラックレール式鉄道)もあります。
各国語で見ると、
ケーブルカーまたはロープウェイ – Seilbahn, Drahtseilbahn, Kabelbahn – cableway, cable car, cable railway, funicular – funiculair, téléphérique
ケーブルカー/鋼索鉄道 – Standseilbahn, Schienenseilbahn – funicular, funicular railway, cable car – funiculaire, funiculaire fixe à câble
ロープウェイ/(架空)索道 – Luftseilbahn, Schwebeseilbahn, Seilschwebebahn, Schwebebahn, Pendelbahn – cable car, aerial cable car, aerial cableway, aerial ropeway, suspension railway – téléphérique
ゴンドラ – Gondelbahn, Kabinenbahn – gondla – télécabine
スキーリフト – Skiliftft – skilift – téléski, remontée mécanique
チェアリフト/リフト – Sessellift – chairlift – télésiège
滑走式リフト/Tバーリフト – Schlepplift, Schleppaufzug – T-bar, drag lift – télésk, tire-fesse, TK
ラック鉄道 – Zahnradbahn – rack railway, rack-and-pinion railway, cogwheel railway, cog railway – chemin de fer à crémaillère, train à crémaillère
などとなります。
日本で最初のケーブルカーは、1918年に開業した奈良県生駒山のもので、これには筆者も子供の頃何度か乗った記憶があります。ハイデルベルクやパリのモンマルトルにもケーブルカーがあり、城やサクレクールの聖堂に乗って行けます。世界で最初、1873年に運行開始した、サンフランシスコの循環式ケーブルカー(cable car)は、市電の形態で街中を上に下にと行き来しています。バルセロナには目抜き通りラ・ランブラが始まるコロンブス柱の近くから港の鉄塔の上の展望台を経由して丘の中腹まで行くロープウェイと別の乗り場から丘を登るケーブルカーと乗り継ぎのゴンドラとがあります。またニューヨークの国連ビルの近くにも110人も乗れる大きなロープウェイがあり、イーストリバーの中洲のルーズベルト島まで市電(aerial tramway)として機能しています。周りを山で囲まれた盆地のシュトゥットガルトには、既に近距離交通用のケーブルカーとラック鉄道がありますが、交通量緩和の手段としてのロープウェイ・プロジェクトも立ち上げられています。また筆者が長年いたマールブルクにも小規模なラック鉄道があって、100メートル先にあるエレベーターに負けずに急勾配をよじ登っています。
では、文章で見てみましょう。
Sie [Standseilbahnen] waren technische wie ästhetische Meisterwerke und von Mitte bis Ende des 19. Jahrhunderts in Europa schwer in Mode; jetzt sind sie bei Touristen beliebt. Standseilbahnen erlauben es Fahrgästen, in kurzer Zeit und mit wenig Körpereinsatz beträchtliche Höhenunterschiede zu überwinden. Das Prinzip ist simpel: Ein Motor zieht einen auf Schienen platzierten Wagen mithilfe eines Seils eine Anhöhe hoch. Häufig verkehren zwei Wagen auf parallel laufenden Gleisen, wobei der eine Wagen ein Gegengewicht zum anderen bildet. Das hält den Kraftaufwand gering. Wichtig ist: Im Gegensatz zu klassischen Seilbahnen wird der Wagen gezogen, nicht getragen. Und im Vergleich zu den berühmten cable cars in San Francisco lassen sich Standseilbahnen wiederum nicht vom Kabel lösen, um zu wenden oder anzuhalten. Die drei Standseilbahnen in Lissabon zählen weltweit zu den berühmtesten. Dort kam es am Mittwoch zu einem schweren Unfall mit mehr als einem Dutzend Toten. Auch die Bahnen in Paris-Montmartre, Budapest, Bergamo und Hongkong sind berühmt. Vielerorts wurden sie jedoch im Laufe des 20. Jahrhunderts ersetzt – durch autotaugliche Straßen, U-Bahnen oder klassische Aufzüge. (SZ, Max Fluder, aktuelles Lexikon, 05.09.2025)
それら(ケーブルカー)は技術的にも美的にも傑作で、19世紀の中頃から後半にかけてヨーロッパで大流行した。現在では観光客に人気がある。ケーブルカーに乗れば、乗客は身体をほとんど使わず短時間で大きな高低差を克服できる。その原理は簡単――モーターがレール上に置かれた車両をケーブルで斜面の上まで引き上げる仕組み。多くの場合、並行する線路上に2両の車両が運行し、一方の車両がもう一方のカウンターウェイト(釣合重り)となる。これにより必要な動力は少なくて済む。重要なのは、最初のケーブルカー【サンフランシスコ型】と違って、車両はケーブルに「乗って行く」のではなく「引き上げられる」という点である。そして、サンフランシスコで有名なケーブルカーと比べると、普通のケーブルカーはケーブルから切り離して転回したり停車したりすることはできない。リスボンのケーブルカー(三路線)は世界的に最も有名なものの一つ。水曜日にそこで12人以上が亡くなる大事故があった。パリ・モンマルトル、ブダペスト、ベルガモ、香港のケーブルカーも有名であるが、20世紀には多くの場所で自動車対応の道路、地下鉄やエレベーターに取って代わられた。(『南ドイツ新聞』時事辞典、マックス・フルーダー)
リスボンの事故では60㎞時で下降するゴンドラが脱線し、家屋の壁面に激突しました。
Offenbar hat ein Kabelversagen das Seilbahnunglück in Lissabon mit 16 Toten ausgelöst. Laut einem ersten Bericht der zuständigen Untersuchungskommission könnte ein Schaden an der Verbindung des Zugseils und des verunglückten Wagens den Unfall verursacht haben. Das Seil habe sich von dem Wagen gelöst, hieß es. Unklar ist demnach bislang, warum die Bremsen den Wagen nicht stoppen konnten. / Die zwei Waggons der Standseilbahn sind durch ein unterirdisches Seil miteinander verbunden, sodass sich ein Wagen einen steilen Hang in Lissabon aufwärts bewegt, während der andere hinabfährt. Am Mittwochabend habe sich kurz nach der Abfahrt der beiden Waggons das Seil von dem oberen Wagen gelöst, teilten die Ermittler mit. Daraufhin sei der untere Waggon zurück zur Talstation gerutscht. Der obere Wagen raste unkontrolliert den Berg hinab. (Zeit-Online, 07.09.2025, 0:59)
明らかにケーブルの故障により16人が死亡したリスボンのケーブルカー事故が起きた。調査委員会の最初の報告によると、牽引用ケーブルと事故車両との接続部分に損傷があり、車両がケーブルから外れたとされる。現時点では、なぜブレーキで車両が止まらなかったのか、まだ不明である。/ケーブルカーの車両2台は地下のケーブルで繋がれており、リスボンの急な坂を一方の車両が登って行く間、もう一方が下って行く。調査担当者によると、水曜日の夜、両方の車両が発車した直後、ケーブルが上側の車両から外れたと言う。その結果、下側の車両は麓の駅へと滑り戻り、上側の車両は制御不能となり坂を猛スピードで下降した。(『ツァイト・オンライン』)
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