遠回しに批判すると言いう点では似ていますが、皮肉は主に個別的な場面で使われるのに対して、風刺は社会的な場面で使われ、文章、絵画、映像などの媒体を使って、権威や有名人などを誇張したり、皮肉ったりして、あげつらうこととなります。風刺の手段としてよく見かけるものに、Parodie – parody – parodie – 戯画、カリカチュアがあります。17世紀フランスのジャック・カロ、19世紀フランスの風刺を芸術の域にまで高めたオノレ・ドーミエや日清戦争時に日本に滞在し、多くの風刺画を残したジョルジュ・ビゴーなどが有名です。またモハメッドの風刺画を出して、イスラム教を冒瀆したとして2015年に原理主義者たちに襲撃され、多くの死者を出した風刺雑誌シャルリー・エブドなど、風刺文化ではフランスが一際輝いていると言えましょう。
語源はラテン語の satura で、神への供え物にした皿一杯の果物、これから色々なものと言う意味が生まれ、さらに satira 嘲笑詩と言う形に変わりました。
風刺の対象となった権力者が面白くもないと思ったり、怒ったりするのは、風刺の伝えるところが分かった上での反応となりますが、これとは違って大真面目にメッセージを発信しているのに、受け手からは風刺にしか見えないと言う珍しいケースもごく稀に見られます。トランプが支持者に見せたビデオがそれです。但し、支持者はまともに受け止めたかもしれませんが。
Wer noch Fragen zu Trumps Mindset hat, der beachte seine KI-generierte Vision für Nahost: Gaza 2025. Am Anfang des bizarren, insgesamt nur 33 Sekunden kurzen, dabei jedoch unendlich wahnsinnigen Videoclips zum nicht minder grotesken Fantasie-Song „Trump Gaza Number One“ sind Ort und Jahreszahl in der Farbe der Hamas gehalten. In Grün. Gepostet hat das Filmchen der amerikanische Präsident Donald Trump auf seiner Plattform Truth Social. (SZ, Gerhard Matzig, 27.02.2025)
トランプのマインドセットについてまだよく分からない人は、AIが生成した中東に関するトランプ・ビジョンに注目するのがよい――その題名は、ガザ2025年。奇矯で、わずか33秒の短編ではあるが、無限に狂気じみたビデオ・クリップの冒頭で、これに負けず劣らずグロテスクな妄想曲「トランプ・ガザ・ナンバーワン」に合わせて、場所と年号がハマスの色の緑で表示される。この短い動画を投稿したのは、他でもないドナルド・トランプ米大統領その人、自身のプラットフォーム「トゥルース・ソーシャル」上で公開された。(『南ドイツ新聞』ゲルハルト・マッツイヒ)
以下続けて見て行きましょう。
Wobei der Clip die Vermutung nahelegt, dass die KI inzwischen auch zu artifizieller Satire in der Lage ist. Man kann das Ganze kaum betrachten, ohne in Gelächter und Tränen zugleich auszubrechen. Gaza 2025: Zu sehen sind im präsidial geposteten Video in Grün und Schwarz und Schlamm und Blut die Verwüstungen, die dem immerwährenden Nahost-Krieg eingeschrieben sind als Zeichen des Unmenschlichen. (l.c.)
この動画は、AIが今や人工的な風刺もできるようになったことも示唆している。笑いと涙が同時に込み上げてくることなしに、この動画を見ることはできない。ガザ2025年――緑と黒、泥と血に塗れた大統領投稿動画には、延々と続く中東戦争に刻み込まれた非人間性の印としての荒廃が映し出される。(以下同上)
データを与えられたAIが、これは風刺を作るのだと思って頑張ったかどうかは、分かりませんが、出来上がったのは、この上なく、よくできた風刺でした。
Zu sehen sind daher Ruinen statt Häuser, Gossen statt Gassen – und ein spielendes Kind neben einem dunkel vermummten Mann, der dem Kind den Kopf tätschelt. Mit der einen Hand. Die andere Hand befindet sich am Abzug der Maschinenpistole. Da ist die Gegenwart. Dann – zack – wechselt die Farbe zum euphorischen USA-Dreiklang aus Blau, Rot und Weiß. Die Perspektive verändert sich. Es tritt auf: die Zukunft. (l.c.)
そのため、建物に代わって廃墟が、整然とした路地に代わってドブの汚水であふれた露路が映される――そして、子供が遊んでいるところでは、黒覆面の男がその子の頭を撫でている。片手で。もう一方の手は自動小銃の引き金にかかっている。これが現在。そして突然、色彩が青赤白とアメリカを象徴する快活な3色に変わる。視点が変化して、そこに登場するのは、将来。
この将来には、ガザの住民は含まれていません。
Aus Ruinen werden im Takt des Orient-Popsongs Märchenwelten wie aus tausendundeiner Immobilien-Fantasie. Die Bilder zeigen nun Sieger statt Opfer. Aus Kriegstrümmern werden Cocktails, aus Panzern Limousinen, aus Maschinenpistolen Palmen und aus dem Elend wird ein einziger magischer Sehnsuchtsort in strahlender Ferienlaune: Trump Gaza. Das ist sie, die „Riviera des Nahen Ostens“. (l.c.)
一面の廃墟が、オリエント風ポップソングのリズムに合わせ、まるで「千夜一夜物語」から出て来たような不動産世界の妄想に変貌する。映像には、犠牲者ではなく、勝者が現れる。戦争の瓦礫に代わってカクテルが、戦車に代わって高級車が、自動小銃に代わって風になびくヤシが映され、凄惨な悲惨の地は、バカンス気分万杯の、魔法の世界から現出した憧れの地へと変貌を遂げる。これが「トランプ・ガザ」、これこそ「中東のリビエラ」である。
「中東のリビエラ」とはトランプ自身の言葉で、バカンスを楽しむ人々が、費用を惜しまず、気前よく大金をバラ撒いてくれるところです。
Durch eine Art Tunnel betritt man im Clip eine Welt, die aus einem suggestiven Sonnenuntergang besteht, aus einer riesenhaften Trump-Statue in Gold, dem blauen Meer und einem malerischen Sandstrand, dazu aus Yachten, futuristischen Hochhäusern und einem Nachtclub. Darin tanzt Donald Trump in seinem im Wahlkampf am Lieblingssong „Y.M.C.A.“ geschulten Trump-Move eine textilreduziert bekleidete Unterhaltungskünstlerin an. (l.c.)
動画では、一種のトンネルを抜けると、印象的な落日、巨大な金のトランプ像、青い海、絵に描いたような砂浜、さらに豪華ヨット、未来派的な高層ビル、ナイトクラブからなる世界に入る。そのナイトクラブでは、トランプが選挙運動で使った「Y.M.C.A.」の曲に合わせて習得したトランプ・ムーブで、露出度の高い衣装のエンタメ女性と踊っている。
金の亡者のトランプは、金のトランプ像に見るように、実際に金ピカが好きなようです。また支援者のマスクも忘れられてはいません。
Elon Musk oder ein von der KI charmant interpretierter Avatar kommt übrigens auch vor. Am Strand wirft er Geldscheine in den Himmel. Kinder tanzen im Regen dieses Reichtums. Selbst der israelische Premier Netanjahu ist Teil der Luxusparty. Mit einem Drink in der Hand liegt er neben Trump am Pool. Was jetzt noch eine Hölle ist, Gaza im, nach und vermutlich auch vor dem nächsten Krieg, könnte schon bald ein Paradies sein. Das ist Trumps Vision, unterlegt mit Discobeat: „Keine Tunnel mehr, keine Angst, Trump-Gaza ist endlich da.“ Es ist schlicht irre. (l.c.)
イーロン・マスク、あるいはAIによって魅力的な解釈を施されたアバターも登場。マスクは砂浜で札束を空中に投げ上げる。子供たちがこの富の雨の中で踊る。イスラエルのネタニヤフ首相でさえも、この豪華パーティーの一員となっている。ネタニヤフ首相は手にドリンクを持ち、プールサイドでトランプの隣に寝そべっている。現在は地獄のようなガザ、戦中、戦後、そしておそらく次の戦争前のガザが、近いうちに、楽園になる可能性があると言う。これがトランプのビジョンであり、ディスコビートに乗せて次のように歌われる――「もうトンネルはない、不安もない、トランプ・ガザがついに完成」。これはもう狂気の沙汰としか言いようがない。
国際指名手配されているネタニヤフなどは、プールサイドよりも、ハーグの刑務所が将来の居場所でしょう。また、トンネルもない、不安もない、トランプ・ガザには、ガザの住民は住めません。
Nach eineinhalb Jahren Krieg sind mehr als 90 Prozent der Gebäude im Gazastreifen zerstört. Menschen leben hier nicht, sie vegetieren im Nichts. Aus diesem Grauen ein Urlaubsparadies zu machen: Diese Idee ist einige Wochen alt. Dahinter steckt der Plan Donald Trumps, wonach die USA Gaza letztlich „übernehmen“ könnten. Scheinbar als Akt der Befriedung, tatsächlich aber Spielwiese der Bulldozer. (l.c.)
1年半に及ぶ戦争の結果、ガザ地区の建物の90%以上が破壊された。人々はここで生活しているのではなく、無の中でかろうじて生き延びているだけである。この恐ろしい状況をバカンス天国に変えると言うアイデアは、数週間前に生まれた。その背後にあるのは、最終的にアメリカがガザを「引き受ける」というトランプの計画である。一見、平和をもたらす行為のようにも見えるが、実際にはブルドーザーがひしめく工事現場となるのであろう。
トランプはガザの住民をヨルダンとエジプトに移住させようと思っていますが、両国ともこのような馬鹿げた提案に賛成するはずがないでしょう。
Wer Trumps Werdegang als Immobilist kennt, illustriert in New York vom Trump-Tower in seiner marmorierten Scheußlichkeit bis hin zum Pseudo-Regierungssitz Mar-a-Lago in Florida mit den geheimen Unterlagen als Klo-Lektüre neben neobarock vergoldeten Armaturen, kann sich nicht wundern über Trumps-Gaza im Video. Vielmehr sollte man sich einstellen auf eine Welt als Immobilien-Deal: Trump-Greenland und Trump-Ukraine sind in Arbeit. (l.c.)
醜悪な大理石好みのニューヨークのトランプタワーから、ネオバロック様式の金メッキの水栓の傍らには、機密文書がトイレ用読み物として山と積んである、フロリダの第二の政府所在地マー・ア・ラーゴに至るまでの数々のゴシップに描き出されたトランプの不動産業者としての経歴を知る者は、動画に映し出されたトランプ・ガザに何ら驚くこともなかろう。今や、世界を不動産取引として捉える準備をすべき時が来た――トランプ・グリーンランドやトランプ・ウクライナはすでに進行中である。
筆者は何度もトランプの精神年齢は小学校4年生か5年生を超えないと言ってきましたが、この動画をご覧になれば、納得がいかれることでしょう。動画自体は著作権の件で問題とされかねませんので、ご自分でお探しになって、ご覧ください。
コメントを送信